データはチームに“見せる“時代。指示待ち人間が動く『チームで使うダッシュボード』のレシピを開発
データはチームに“見せる“時代
指示待ち人間が自然に動く
『チームで使うダッシュボード』のレシピを開発
〜 DX足踏み状態の、データはあるけど、活用できていないチームへ 〜
指示待ち部下を変える 『チームで使うダッシュボード』のレシピとは?
データを“見せる効果”を過小評価すべきではない。データはチームに“見せる“時代。
新型コロナウィルス対策で増えたコンビニやスーパーのレジ前にある「足跡マーク」は、前の人との間隔が開くように行動を誘発されており、多くの人が自然体で無意識にそのとおりに行動しています。すなわち、人は常に合理的な判断に基づいて行動しているわけではなく、日常、視覚からくる情報を重視し、無意識で直感的に行動していることが多々あります。
同じように、ビジネスシーンの日常業務においても、主要なデータ(ゴール/KPI など)を “工夫して見せる”ことで、細かい指示や命令をせずとも、指示待ち部下の行動を自然に望ましい方向に変えられるチャンスがあります。例えば、「ゴールまでの道のりデータ」を示すことで、見る者に、今日何をすべきか?を自然に考えさせたり、ランキングデータを示し、これまでの努力を誇らしく感じさせ、やる気を創出したりすることができます。当レシピでは、データをどのような形式で見せると、見る者にどのような心理的バイアスが働き、無意識下でどのような行動が期待できるのか?について示唆するいくつかのヒントが用意されており、あなたのビジネス事情に合ったカードを選んでいくことで、あなたのチームに貢献できるダッシュボードの設計図を手に入れることができます。
また、部下が指示待ちとなる理由はさまざまですが、ゴールが曖昧、現在地が不明、フィードバックが足りないといった類の上司の指示や評価が適切にできていないケースでは、必要な情報がうまく共有できていないといえます。それが分かっていても解決できていない主な要因は、共有する「内容が足りない」か「回数が少ない」か、または両方です。この課題に対し、日頃のコミュニケーションを見直すのに加え、わかりやすく、繰り返し何回も、言葉よりも鮮明なデータでコミュニケーションできるデータダッシュボードこそが「補佐役」として機能する理由について解説してあります。
チームで使うデータダッシュボードの設計にとどまらず、どうやって部下を自然に引き込み、意思疎通のためのコミュニケーションを促進させることができるか?について、デザインと運用のアドバイスについても言及しています。あなたのチームに貢献できる理由の明確化、機能するデザインから効果を高める運用方法まで網羅した、理想のダッシュボードを手に入れるための手順書になっています。
レシピ開発の背景
主要なKPIや進捗を示すデータをチームで共有するといったことは珍しいことではありませんが、その“伝え方・見せ方”について深く考えることは稀です。ただただ見にくかったり、新鮮なら意味のあったはずのデータも遅れて知り後の祭りとなってしまったり、お目当てのデータを確認するだけで時間がかかるプロセスがあるため次第に見ない習慣になってしまうなど、結果、伝えるべきデータが必要なタイミングで “見られていない” 組織があります。
データがあるのに見られていない問題は、部門内の話だけでなく、経営陣と従業員、部門間においてはさらに数多く発生しがちで、経営資源として重要なデータを全社で活用してDX化を進めようとしている組織において、データ共有できているはずなのにうまくいかないケースの隠れた原因の一つになっています。
データダッシュボードは、このような共有しているはずなのに見られていないがために、組織内で意図しないデータの独占が発生してしまっている課題を解決する有効な一手になりえます。必要な情報を見やすくまとめ、新鮮なリアルタイムデータを、より多くの目に届けることが手間なく自然にできるというデータダッシュボードの長所が後押しします。
ところが、データダッシュボードというと、一般的に、一部のデータアナリストが“分析するもの”といったイメージが先行してしまっているため、チームに“見せて行動を促すもの”としての利活用は、先進的なデータ主導型組織のみにとどまり、限定的です。そこで、 “チームで使う“をテーマに、ダッシュボードでデータをうまく伝える方法、その効用から構築のコツまで一通り実現できるノウハウを体系化・資料化し、”データをうまく見せる工夫をする“という比較的シンプルな方法で、チームパフォーマンスを高められる可能性をもっと多くの組織で見つけてほしいという想いから当レシピは生まれました。
レシピとした理由には、事例を並べたてた退屈な読み物ではなく、気になるキーワードが書かれたカードを自由に自ら選んでいくことで、個々の事情に合わせたオリジナルで意味のあるダッシュボードを思い描けるようにし、手順を示すことで、導入だけではなく導入後の運用が成否を分けることをしっかり理解できるようにする狙いがあります。
「データを見せることは、見る者の心に作用し、行動を促すことができる」という、これまでにない視点からアプローチした当レシピがきっかけとなり、データをもっとうまく見せることをあらためて考えてみる機会がたくさんの組織で芽生えることを願っております。